広島県廿日市市吉和の中国自動車道の工事現場で1月、吊(つ)り足場が落ちて作業員5人が死傷した事故で、西日本高速道路は4日、足場を支えるための作業の不備が事故につながったと発表した。
足場の設置計画によると、橋桁の側面にアンカー28本を打ち込み、チェーン28本でつるす予定だった。だが、実際に打ち込まれたアンカーは20本で、チェーンも20本だった。さらにアンカーの打ち込み不足も判明。深さ6.8センチ打ち込む必要があったが、少なくとも10本が外に最大1.5センチ出ていた。アンカーの設置位置も計画より下だったという。
これらの作業不備で、橋桁の一部に負荷がかかり、足場は橋桁の一部とともに落下したとみられるという。工事を受注した共同企業体が足場の設置計画を作成した。計画と異なる施工を把握しておらず、「下請けまかせになっていた」と説明しているという。
事故は1月27日に発生。足場に乗っていた男性作業員6人のうち5人が20メートル下の地上に落ちて2人が死亡、3人が重軽傷を負った。